ニコニコ女子バスケ部 訓練A
※このSSは「ニコニコ女子バスケ部 挫折」の続きです。
 SSを読む時は部屋を明るくして、ゆっくり離れて読んでいってね!!!



男子部との練習試合から早いもので1週間。
女子部はあの敗戦を期に心を入れ替えたか、練習に励むようになった。
そのおかげか、部員達にも少しずつ変化が現れ始めた。
魔理沙となのはちゃんはシュートがちゃんと入るようになったし、
アリスもドリブルがだいぶうまくなった。
ハルヒ、泉さんもまたうまくなったし、桂さんとミクさんも長所を中心に伸びていった。
とりあえず俺は、掃除やボール磨きの腕が上がった。
大会まで残り3週間あまり。どこまで力を伸ばせるか…。

さて。練習試合から1週間。色々なことがあったことだろう。
早起きするようになったとか、ネコが大きくなったとか。
そこで各々の2週間で起きた変化についてインタビューしてみた。
ま、どうでもいいことでもいいから、何か教えてくれ。
S.H「え?変わったこと?
 そーねぇ…。最近、休み時間に体育館へ行くようになったことかしら。」
ご丁寧に体育館を独り占めしてな。
I.K「え~、最近○ラティナの色違いをゲトーしましたv」
バスケ関係ねー!つーか、ホントどうでもいいな!
K.M「スピードデュエルで海馬に勝てません。」
お前もお構いなしかァァァ!
A.M「最近、体重が3kg落ちました。」
おめでとうございます。
H.M「最近、ソーラーバッテリーに換えました。」
地球を大切にね。
T.N「最近、がんばりましょうテストで100点を取った。
 …くらいですね。」
頑張りました。
K.K「モザイク?今モザイクがかかってるんですか?私の顔に。
 スグに取ってください。人の顔を猥褻物扱いするなんて言語道断です。」
…いや、だからこっちも色々と気を遣ってまして…ホラ…ね。
分かりますよね?K.Kさん。
K.K「私は桂言葉です。マリオワールドの雑魚敵みたいな名前じゃないです。」
あ、ちょ。名前隠した意味ねーじゃねーか。
言葉「え~っと、この2週間で起きた変化ですか?」
聞いちゃいねぇ。
言葉「それについては二つあります。
 ひとつは…誠君に日頃の感謝を込めてプレゼントを作って渡そうと思ったのですが、
 ある時は朝礼前に、ある時はお弁当の時に、ある時は掃除の時に、
 ある時は授業中こっそり誠君の席に投げつけようとした時に、
 西園寺さんに幾度となく邪魔をされました。悪意を感じざるを得ません。」
なげェよ!しかもどうでもいいよ!
言葉「二つ目は…あのアレ……。
 …二つ目なかったかも。ひとつでいいです。」
……もういいです。

「よーし、今日はここまでだ。」
いつもなら、俺達の世界と流れている時間が違うためか
朝から夕方まで練習をしているのだが、今日はいつもと違って朝から昼頃で練習を終えた。
これは何かありそうだ。

そして、練習の最後にハートマン軍曹がとある提案を持ち出した。
「貴様ら雌豚がよくここまで頑張った。
 だが、お前達の地力はまだまだ生半可なものだ。今のままでは勝ち抜くことはできん!」
そんなにハッキリ言われると、逆にスッキリするな。
「そこでだ。女子部の更なるレベルアップを図るため、
 明日から一週間、合宿訓練を行うこととする。」
「合宿ぅ!?」
おいおい、突然すぎるだろ。ざわつくのも仕方ないぞ。
合宿か…多分、俺も行かなきゃいけないんだろうな。
「集合は朝7時!朝7時にここに集合するものとする。
 テント、寝袋、照明などはこちらで支給する。特に何かを持って来る必要はない。」
逆を言えば、何か持って来たら没収されるわけか。
「明日からの合宿はこれまでとは比にならないほど厳しいシゴキが待っている。
 よって各自、明日に備えてゆっくり身体を休めておくこと。
 ではこれにて解散!」
合宿か……。なんかとんでもないことになってきたな。
スポ根漫画のお約束の展開ではあるんだが。
「キョン、アンタももちろん来るのよ。」
「…はいはい。」
そうくるだろうと思ったよ。
ハートマンの話が終わると、俺達はそれぞれ解散していった。

その夜、女子部はみな、思い思いの夜を過ごしていた。
まずハルヒは、合宿にwktkしすぎて眠れずにいた。
「…う~ん。こういう時はやっぱり…つまんない小説でも読むに限るわね。」
長ったらしく難解な文章を読んで眠気を喚起させる。
まぁ、ハルヒにしては割と理性的な行動だと思う。
というわけで、早速うっすらと黄ばんだ500ページはあると思われる本に目を通してみたのだが…。
「……。」
一時間、二時間と無駄に時が流れ、二時間半後。
「…意外と全部読めちゃうモンなのね。」
ぽんと本をそこらに捨てやがった。こら。
どうやら読み進める内にペースが早くなり、ついには読破してしまったらしい。
ミイラ取りがミイラになるとはよく言ったもんだ。
「もういいわ!こうなったら、根性で寝てやる…。
 (羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹…。)」
結局、根性で強引に眠りについた。
…力技過ぎる。

ミクさんは、ライブを終えて先輩ボーカロイドのMEIKOさんと一杯やっていた(オイルを)。
「…へぇ~。それは大変そうねぇ。」
「ふふ。でも、皆さんと一緒ならやり遂げられるんじゃないかな…と思います。」
「そうね…。なんたって、世界を救っちゃったんだもの。
 きっと不可能なんてないわ。」
MEIKOさんはお代わりをもらった(オイルを)。
注文を受けたバーテンが手際よくカクテルを作る(オイルの)。
「ミク。私、仕事してる時のあなたが最近輝いてるなって思うの。」
「そ、そうですか…?」
「ええ。単にソーラーバッテリーに換えたからだけじゃないわ。
 きっと、毎日が楽しく感じられているからじゃないかと思うんだけど?」
「う~ん、確かにそうかも。最近、軍曹さんのシゴキが厳しすぎて、
 仕事してるほうが楽に感じますから。」
「あはは。ロボットが音を上げるの?」
「おかしいですよね、やっぱり。ふふ。」
カクテルを作り終えたバーテンは、MEIKOさんの前にグラスをそっと置いた。
MEIKOさんの方も「ありがとう」と礼を言うと、グラスを一口くいっと傾けた。
「これからも頑張ってね、ミク。」
「…はい。」
ミクさんはにっこりと笑っていた。

泉さんは、深夜0時までネトゲにはまっていた。
「ん…もうこんな時間かぁ。」
しばらく時計とにらめっこ。
「……アニメはDVDで録画予約しといたし。 
 かなり早いけど、もう寝よ。」
すると、迷うことなくぱっと着替えてぷちっとパソコンと電気を消してすやすやと寝入った。
「(…まさか、放送時間がずれるなんてことは…。)」
一抹の不安を感じつつも、なるようになると言い聞かせ、強引に寝てしまった。
なんという根性…。
そこへ、ゆっくりと起こさないようにドアを開けて部屋に入る闖入者が。
痴漢…と思ったら、それはお父さんのそうじろうさんだった。
「…最近、汗だくで帰ってくると思ったら、今度は合宿か…。」
感慨深げにしていると、そっと枕元に一枚のタオルを置いた。
最近流行っているアニメ『とらドラ』のスポーツタオルだ。
「こんなお宝を渡すのは辛いが、これも娘のため…。頑張れよ。」
我が娘の成長に感激したのか、それともお宝との別れを惜しんでいるのかはよく分からんが、
このお父さんは泣きながら部屋を後にしていった。
「(…やれやれ。もう後に引けなくなっちゃったナ。)」

魔理沙は八頭身の姿になり、夜な夜な神社でフットワークを鍛えていた。
「ふっ…ふっ…はぁ…はぁ…。
 (私には点を入れるようなプレイはできない…今はまだ。)」
いずれできるとは思っているようだ。
「(だから、あの八頭身の身体をもっと活かせるようにしないと…。
  また退場になったり、足手まといにならないように…。)」
「うるさい!静かにしなさい!」
どこからか神社の巫女さん、博麗霊夢が文句を言ってきた。
「え?別にうるさくしてるつもりないけど~?」
「あ、ごめんね~。魔理沙じゃなくって…。
 …ちょっと!誰が宿を貸してると思ってるのよ!」
「でも、この床下ジメジメしてて全然眠れなーい。」
「霊夢!アナタこそ、私達を何と心得てるの!?」
「吸血鬼。」
「吸血鬼がぼろ神社の床下で寝るってどういうことよー!?」
「ぼろ……!そういうことを言うなら、さっさと出ていけー!」
どうやら別の人に対して抗議しているようだ。
これは確かに…。
「…うるさい。」

一方、アリスは入浴を終えたところだった。
「ふぅ~…。」
バスタオルで身体を拭き、ドライヤーで髪を乾かし、
さぁ、パジャマを…と思ったところでふとあるものが目に付いた。
体重計である。
「……。」
おそるおそる体重計に乗る。
メーターがグングン振れていき、最後に止まったのは…(削除されました)kg。
「……ニヤリ」
この結果にほくそ笑むアリスであった。
ひょっとして、バスケをダイエットと勘違いしてるんじゃないだろうな。

なのはちゃんはなかなか寝付けず、友達に電話をかけていた。
「…もしもし、フェイトちゃん?」
「もしもし、なのは?どうしたのこんな時間に。」
「うん。明日、バスケ部の合宿があるんだけど、なんだか寝付けなくって…。」
「大丈夫?最近、疲れてるみたいじゃない。
 ため息つくことも多くなったし。」
「…大丈夫。平気だよ。そんなに心配しないで。」
「でも、学校に行ったり、部活をしたり、仕事をしたりで忙しいのに…。
 ようやく休みをもらったのに合宿に行くなんて…。」
「それくらいしないと、私足引っ張っちゃうから。
 ベンチでじっと見ているだけなんて、堪えられないの…。」
受話器の向こうからふぅとため息が聞こえる。
「もう…無茶ばっかりするんだから。」
「えへへ…心配かけてごめんね。」
「なのは。私達、どんなに離れていても友達だからね。
 ずっと応援してるから。」
「うんっ!じゃあ…おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
二人は電話を切った。
なんか泣かせるなぁ。

桂さんも友達…じゃなくて恋人に電話をかけていた。
「もしもし、誠君ですか?」
「言葉?明日から合宿なんだって?大変だなぁ。
 俺、何もできないけどさ、応援してるよ。」
「ありがとうございます、誠君。」
とそこへ、受話器の向こうから…。
『誠ー?なにしてるのー?』
電話の向こうから女の声が聞こえてきた。
恋人との語らい、甘い時間、自分への励ましという名のチョコレート!
まるで世界の幸せを独り占めしていたような気分をぶち壊そうとするような、
そんなオバチャンのような女豹悪魔が武力介入をしにやってきたのだ!
…と、桂さんのアタマの中を支配した甘い妄想はこんな被害妄想に一瞬ですりかわった。
「…誠君。今の女(ひと)…誰ですか?」
「え?ああ、ウチの妹だよ。また家を抜け出してウチに来てるんだ。」
「兄を呼び捨てにするんですか?」
「え?あ、ああ。ホント困った妹だよ。ハハ…。」
「そうですね。でも、妹さんが何を急かすんですか?」
「え?いや、ほらその…○iiフィットをやろうとか何とか…。」
「何とか?」
「ああ、いやいや!とにかく、一緒にゲームやってるんだよ。」
明らかに動揺しすぎである。
「…じゃあ、妹に代わってくれますか?」
「え?あ、ちょっと、それは…。」
『誠ー。誰と電話してんの?』
「あ、い、今切るよ!
 ご、ごめんな、言葉!夜に電話をすると電話代が大変なんだよ~。」
…といっても、そんなにたいした額じゃない。
「じゃ、言葉、頑張って!」
一方的に電話を切られてしまった。
あわれ桂さんは放心状態になってしまった。
「……。」
ようやく受話器を置くと、自分の部屋に戻り、ベッドに横たわる。
枕の上で桂さんは目を瞑り、なにやらうわごとをつぶやいていた。
「(誠君はかなり焦っていたかもしれない。
 妹がいるなんてまっかな嘘かもしれない。
 誰か女を連れ込んでいるのかもしれない。
 私はその女に嫉妬しているかもしれない。
 私はその女をころしたいかもしれない。
 でも、私は明日に備えて寝なければならないかもしれない…。)」
怖いよぉ…。

そして、朝7時。
一人の欠席者、遅刻者を出すことなく俺達は全員集合した。
「…合宿ってなんなんでしょう?」
「さぁ…。でも、楽しみですね~。」
「(誠君の様子が気になるかもしれない。)」
まだ気にしてたのか。
「全員集合したようだな。」
「ええ。キョン様もいらっしゃいますよ。」
「…まぁ、頭数に入ってる以上、休むわけにはいかないですし。」
「よし。紫、頼むぞ。」
「はいはい。じゃ、一週間後にまた。」
空間に裂け目が現れた。なんだか血の空のような不気味な空間が広がっている。
なんか、裂け目の中の目ン玉がチラチラこっち見てくるんだけど。
あれに飛び込めと言うのか…。
「じゃあな、紫。また会えるかわからないけど。」
「ちょ、ちょっと!冗談でもそういうこと言わないで!」
「こ、こんなとこに飛び込めるか!俺は帰るぞ!」
「バカモン!今更怖気づいたか!」
「キョン!あんたも来るのよ!自分だけ逃げようなんてそうは問屋が卸さないっ!」
「ぬわーーっっ!!」
こうして俺達は裂け目に飛び込んだ。
俺はもう生きた心地はなく、内心この連中を恨んだものだが、そこまで不快な感覚ではなかった。
なんというか、懐かしい感覚。昔プールに溺れた時のような感覚。
とにかく、俺達の体は空間をさまよい、合宿の地へと向かっていったのだった。

俺達が飛ばされたのは、深い森、流れる滝、見上げても頂上の見えぬ高い山。
ゴツゴツとした岩やどっしりとした一本一本の木々がこの地の険しさを物語る。
深山幽谷という言葉がピッタリ合うような大自然だった。
「ん~。いい眺めねぇ~。」
と、ハルヒがのんきに深呼吸をしている。
確かにハイキングに来たのなら、絶景なんだがな…。
「ハートマン様。ここは一体?」
「ギアナ高地。
 とある東方の武道家達が修行のメッカとして使っている秘境だ。」
「ひきょう…。」
「思い当たるフシがあるんじゃない?魔理沙。」
「いやいや!まだ何も盗ってないぜ!
 大体ココ、人なんかいなさそうじゃん!」
まず、秘境であって卑怯じゃない。
そして、卑怯=泥棒というのはどこか違う気がする。
さらに魔理沙。お前と言う奴はそういう奴だったのか。
つ…つっこみきれん。
「どうかした?キョンくん?」
「あ、泉さん。すみません、なんでもないんです。」
「いや~、ここがあの有名なギアナ高地かぁ…。
 ひょっとしたら、誰かが覚醒したりしてね。」
「私の杖が真っ赤に燃える!お話聞いてと轟き叫ぶぅ!
 …みたいな?」
「うん。そうそう。」
「私の歌を聴けー!…じゃないんですか?」
「違うね~。惜しい感じだけど。」
泉さん、なのはちゃん、ミクさんが盛り上がっているが、さっぱりついていけん…。
みんな、どこでそんなことを覚えてくるのだろうか。
こんな孤立を感じた時、俺には俺だけのエンジェーである朝比奈さんがいるのだが……。
「あの子は太陽のコマチッ!エンジェー!
 やや…やや?」
「……。」
「み、見てたんですか…?」
「……。」
「…ひ・み・つ・ですよ(はぁと)」
「しゃべるかァァァ!(ぷっつん)」
何?!なんなのこの人!容姿端麗、美乳、清楚なのに、なんで性格が破綻してんだよ!
誰だ!どこの神様がこんな人にした!?
ちなみにこのこっぱずかしい歌、奇跡的にも周囲には全くバレていなかった。何故だ。

「いいか、雌豚ども!
 これからニコニコ女子バスケ部の集中合宿を行う!
 この合宿は貴様らの根性をさらに叩き上げ、体力の底上げをすることを目的としている!
 ここへ来たからには泣き言は通用せん!
 雌豚どもの甘えを全て刈り取るつもりでシゴく!そのつもりでこの一週間を過ごせ!」
「サー、イエッサー!」
かくして、ギアナ高地での特訓…いや、まさに訓練が始まった。

参加者は女子部7人と俺。
なぜ俺までやらなきゃならんのかは分からないが、
軍曹も頭数に入れていたらしいのでやらざるを得ない。
まずは腕立て、腹筋、スクワットなどの準備運動。
普通の練習だ。だが、マズイのは回数。
その回数は腕立て50回、腹筋70回、スクワット120回という、
普通の人ならすぐに音を上げるようなとんでもない回数だった。
「う~…腕が疲れてくる…。」
「疲れただと?!どこのクソだ!魔理沙、貴様か!」
「サー、ノーサー!」
「ふざけるな!ならどこのクソだ!」
「サー、自分です、サー!」
すさまじい剣幕でまくしたてる軍曹に対し、勇気ある自己申告をしたのは泉さん。
「そこのクソか。正直なのは感心だ。
 気に入った。帰ったらウチの妹と好きなだけネトゲをさせてやる。
 ロリコン釣りのヲタ女が!じっくりかわいがってやる!」
お…おっかねェ!
こんな風に少しでも遅れたり、口答えをしようものなら、容赦なく罵声が飛んでくる。
「じじいのファックの方がまだ気合いが入ってる!」だの、
「死ぬか?俺のせいで死ぬつもりか?さっさと死ね! 」だのハンパなもんじゃない。
まさしく訓練。とても合宿練習なんて呼べない代物だ。
準備運動が終わったら、次はランニング。
もちろんトラックなんかと違って自然のままの道なわけだから、
石だらけ、草だらけ、坂だらけ。
この未開拓の道を走ることで、
通常のランニングとは比べ物にならないほど体力を消耗していった。
「はぁ…はぁ…ちょ、これ…キツイぜ…。」
「ま、待ってキョンさん。止まったら…。」
「あ…。」
ふと、俺は軍曹の顔を思い出した。
こんなとこで勝手に休もうもんなら、軍曹に心が張り裂けそうなことを言われるに決まっている。
「が、頑張ります。」
「ええ…頑張りましょう。」
ミクさんも辛そうだ。
そして、昼の訓練が終わり、一端休憩に。
「琴姫さーん!今日のご飯何ー?」
「はーい。チョココロネにお魚の塩焼きに味噌汁ですよー。」
あれ、意外とまとも。完全に軍隊ってわけでもないんだ、よかった~。
と思いきや。
チョココロネ…スーパーで買ってきたミニチョココロネ一個
お魚…メザシ一匹
味噌汁…50mlくらいで具は豆腐とわかめ
「……これだけ?」
「はい。」
これで腹は満たされるのだろうか?
「こんなの、三口で終わっちゃうぜ。」
「いいか、雌豚ども!
 この一週間、メシは一口も残してはならん!分かったな!」
そんなの残す方が難しいだろ、と思っていた。この時までは。

午後からはカヌーでの川下り、ロープ登りなどなど困難を極めた。
…って、これなんて軍隊?
こんな地獄のような訓練が続き、一日目の訓練が終わった頃、
俺達の身体はボロ雑巾のようにくたくたになっていた。
名前は敢えて出さないが、吐いてしまった人もいる。
疲労困憊の中での夕食時。ついに異変が起こってしまった。
「皆さん、どうぞ…。」
琴姫さんが出したメニューは昼食のものと同じ。
だがあんなはした量の食事ですら、俺達の疲れきった胃袋には通りづらかった。
俺とハルヒと魔理沙、そして意外にも桂さんは何とか食べる気になった。
だが、他の三人はそうではなかった。
「どうしたの、こなた。」
「アリスも元気ないみたいだぜ…。」
「なのはちゃんも桂さんも…。」
「なんかちょっとね…。」
「疲れすぎてご飯が喉通らないのよ…。」
「私もです…。」
「でも、何か食べないと…本当に死んでしまいますよ。」
桂さんの言葉が初めてまともに聞こえた気がする。
「…そうね、ありがとう。」
「何とか食べるよ。」
「……。」
三人もなんとかメシを口に押しこんだ。
そしてテント内の寝袋で就寝。
俺と軍曹は一緒のテントで寝ることになった。
軍曹はもういびきをかいている。
きっと明日の朝も早いだろう。さっさと寝るに限る。
本当に疲れたな…。
身体が…綿のようだ…。

どのくらい眠ったか。
俺は突然、琴姫さんに起こされた。
「キョン様、キョン様…。」
「ん…?どうしたんですか、琴姫さん?」
「実は…アリス様とこなた様がいないんです。」
「なんですって!?」

アリス『トイレ行きたいお…。』
こなた『でも一人だと怖いお…。』
アリス&こなた『だから二人で行くお!』
キョン「きっとこんな感じじゃないですか?」
琴姫「…だったらいいんですけどね。」



CM
訓練生、整列。
ハートマン、歩きながら演説する。
ハートマン「訓練教官のハートマン先任軍曹である。」
ナレ&テロ「ハートマン軍曹です。」
ハートマン「パンチラシーン発見以外の報告はいらん。」
ナレ&テロ「ハートマン軍曹です。」
ハートマン「萌えだ、ツンデレだ言ってる暇があったら、前と後ろにサーをつけろ。」
ナレ&テロ「ハートマン軍曹です。」
ナレ「ハートマン軍曹のイタイタしいシゴキに耐えられるか?
 『ハートマン軍曹のオタ訓練学校』DVDにて4980円で発売。
 初回限定特典『Figma Fate/stay night セイバー 甲冑Ver. 』付き。」
ハートマン、訓練生の一人にまくしたてる。
ハートマン「DVDは何枚持ってる?」
訓練生「180枚です!」
ハートマン「たった180枚でコレクター気取りか。いい気になるなよ。」



続く


NK
http://nannkotsu.blog56.fc2.com/
2008年10月28日(火) 02時27分58秒 公開
■この作品の著作権はNKさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
本当にごめんなさい!
公約は毎週月曜日だったんですが、学園祭などで忙しくなってしまい、
仕上げに時間がかかってしまいました。
保険期間があってこのザマだよ!
余談ですが、ヅラのキャラって男だとどうしてもイラつくんですが、女だとなんか萌えるな。
人を食ったような性格がお茶目というか、まあかわいらしいというか。
腐った人達もこんな気持ちで見ているのだろうか。

この作品の感想をお寄せください。
ヅラことのはで「ヅラじゃありません桂です」ですね、わかります。
んまい棒を携帯してて、某チャイナ娘に声がそっくりなルイズに全部パクられるんですね、わかります。
もはやキョンと銀さんの見分けがつかなくなってきました。責任とってください。
50 木戸村正 ■2008-10-29 23:27:45 124.97.228.247
ヅラ・・・か・・・うーん、私にはよく判りませぬ・・・w
アレは男でこそギャグが生きるし・・・すまない、これ以上の説明は
腐の御方に御任せするとして・・・

ハートマンのオタ訓練学校ってなんだww
ややカオスな本編でしたwwさて、Bへ・・・
50 遊星γ ■2008-10-28 14:37:04 121.110.65.13
合計 100
過去の作品なので感想を投稿することはできません。 <<戻る